エルグランドの不具合修理事例のご紹介になります。症状としては冷寒時に発進、後退が非常に遅く、坂道を登れない程という症状でした。
故障診断機にて点検すると油圧回路に異常がある内容になっておりました。
正規の見積もりとしてはトランスミッション、すなわちCVT一式の交換の見積もりがセオリーとなりざっくりと30万、40万、50万程の修理見積もりになるかと思います。
当店にて導入しておりますトルコン機器のフルードチェッカー機能にてフルードの劣化具合も合わせて点検しています。
フルードチェッカーにて点検すると、フルードが汚れているのか、性能は保たれているのか、交換することに対するリスクはどの程度なのか判断してくれます。
本来であればCVT一式の交換の必要がありますが、オーナー様とリスク等の相談(修理を試みても直らない可能性など)の元、修理をしてみる事となりました。
今回はおそらくCVTフルードの劣化や汚れが著しく蓄積してしまい、冷えている時に特に作動油としての役割がはたせなかったのではないか、という仮説の元作業していきます。
まずはCVTフルードの抜き取りを行います。
フルード自体はもちろん真っ黒です。
オイルパン(オイルが溜まっている底の受け皿)を取り外しました。
二つの丸は、内部で発生した鉄粉をキャッチしておく為の磁石です。
たくさん鉄粉がついていますが、余程低走行車でもない限り鉄粉は付着しているのが一般的です。
磁石に鉄粉が付着しているのは一般的ですが、今回のお車は磁石の許容吸着量を超えて鉄粉が散らばっています。
綺麗にすればそれで解決!というわけではなく、いきなり綺麗にすると人間でいう所の脳梗塞や心筋梗塞を誘発する恐れがあります。
今回は他に打つ手が一式交換になってしまうので、オーナー様にリスク承知の元作業させてもらっています。
ここにCVTフルードストレーナーがあります。
異物を潤滑しないためのフィルターです。
ストレーナーを見てわかる通り、内部はもちろんですが外側にも鉄粉がびっしり付いています。
こちらのストレーナーは新品のストレーナーではなく、先程のストレーナーを掃除した物になります。
黒い部品が銀色に変わったように見えるかと思いますが、外面の黒さは全て細かな鉄粉でした。
通常は交換が一般的ですが、今回は掃除出来る種類の物、なおかつ作業後直らないリスクもあったのでしっかりと清掃した上で再使用させて頂きました。
こちらはしっかりと清掃させてもらったオイルパンと磁石です。
磁石も鉄粉が無くなり一回り小さく見えます。
清掃した部品達を組み付けて新油を給油していきます。
油量を調整して数日日をまたぎながら試運転をした所、
冷えている時に進めない位の状態だったのに対して、作業後は冷えている時に若干違和感を感じるかな?程度まで改善されました。
これにて解決というより、引き続き様子見をしながらお乗り頂く形になります。
ダンロップ本店では最新のトルコン機器にて、フルードの劣化具合を点検しながらの作業が可能です。
茨城県結城市にあるダンロップ本店は、整備士にノルマが無いので、お客様のご要望に寄り添った柔軟な対応をさせて頂いております。
国指定の民間車検工場なので、設備力・技術力ともに地域トップクラスです。最新車両のお取扱いも可能なので、お気軽にお問合せください。
修理受付時間 9:00~12:00 13:00~17:30
定休日 日祝 第二第三月曜日
TEL:0296-35-2211
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